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2006年 05月 10日
B級の食卓
 絶品ラーメンとか究極の玉子丼といった「B級グルメ」と、高級フレンチや料亭懐石などの「A級グルメ」の境界線はいったいどの辺にあるんだろう?という話題をサカナに、いつものメンバーが居酒屋で盛り上がりました。

 『A級グルメは飽きちゃうよ。毎日は食べられん。先週もフレンチのディナーにつき合わされ、子牛のなんちゃらってやつを食ったけど、そんなにうまいとも思わないし、その夜から胃もたれだもんな』 というのは、50を間近かにいまだ独身のGさん。

 そこに突っ込みを入れるのが、単身赴任中の夫の留守を守る40過ぎの主婦Oさん。『結局貧乏人やガキにはA級グルメは分からないのよ。おいしいものを楽しむためには、それなりの投資と経験が必要なんだから。甘いものがいちばんうまいと考えている子供は、味覚のベクトルが一方向しかないけど、味覚がだんだん発達してくると、塩辛いものや酸っぱいものもおいしいと感じるようになるわけだから、Sさんは味覚がまだ開発途上ってことなんですよ』

 それを聞いてムッとしたSさんがやり返す。『でも毎日うまいものを食い続けて、味覚が進化し過ぎちゃうと、庶民的なカレーやチャーハンをうまいと思えなくなっちゃうんじゃないか?俺の知り合いの娘なんか、小さい頃から親がA級グルメで育てたもんだから、学校の給食を食べられなくなっちゃったんだって。そんなの不幸だよ。その点、B級グルメの俺は何でも食べられて幸せだよ』

 なかば開き直ったSさんに援護の手をさしのべるのが、何の取り柄もないごく普通の独身サラリーマンR君。『A級グルメって食べるとき、なんか身構えちゃうんだよね。ちょうど名作絵画や美術品を見るときみたいに。ちょっと重いというか、毎日それじゃ疲れちゃうよ。漫画やグラビアなら絶対飽きないけど』 『だからあんたはタコだっての!毎日コンビニで漫画やグラビア雑誌の立ち読みばっかりしているから成長もないし、彼女もできないのよ!』 とOオバサンの反撃。

 その後グルメの話題はすっかり忘れ去られ、漫画本からお笑いタレントの話に移っていってしまい、その間、テーブルの上にはB級グルメのつくねや砂肝、手羽先がずらっと並び、大量のビールとともに参加者の腹の中におさまっていきました。こういう話はA級グルメのテーブルにはのぼらないんでしょうね。

# by vasar | 2006-05-10 13:23
2006年 05月 09日
ちょっとした幸せ


 スローフードを楽しもうと思って、このところできる限り季節感あふれる料理をオーダーして、ゆっくり時間をかけて噛みしめながら食べるようにしています。そいでもって今日の昼食は「たけのこご飯」。

 会社から歩いて5分ほどの定食屋さんですが、店の入り口に並んでいる「さばの味噌煮」だとか「ほうれん草のお浸し」だとか、小皿に盛られた料理を見つくろってトレーに乗せたあと、奥の厨房にむかって「たけのこご飯」を注文すると、すぐにオバちゃんが味噌汁といっしょにテーブルまで持ってきてくれる。昔はこんな一膳飯屋がたくさんあったけど、今はもう少なくなったよね。

 高級料理店じゃないので、あまり期待はしていなかったけど、これが思いのほか旨い「たけのこご飯」でした。ご飯の上にチョンとのっかった木の芽の鮮やかな緑が美しいし、顔を近づけると若々しい香りが鼻をくすぐる。口にほおばるとホカホカご飯にシャキットした竹の子の舌触り。ほんのりカツオだしの風味が口に広がるのを噛みしめる。あ~!幸せなひととき!これを運んできたオバちゃん自家製のオフクロの味なんでしょう。

 伸び盛りの竹の子は1日に90cmも伸びるといいますから1時間で3~4cmも大きくなっちゃう計算です。その成長ぶりは目まぐるしいというか、せわしないというか、スローライフの対極のようですが、その竹の子をいただいてスローフードを楽しんでるってのも妙なもんですね。


# by vasar | 2006-05-09 13:10
2006年 05月 02日
スローライフをスローに始める
スローライフだとかロハスだとか、人生をゆっくり生きよう!健康的な生活を楽しもう!と考える人たちが増えているようです。確かに忙しさや時間に追われて毎日をアクセク過ごしていると、季節の移り変わりも見逃してしまったり、人のやさしさや心のあやに気づくことも少ないようです。

そういった日々を続けていても何も面白くないし、味気ない人生だとはわかっています。とはいうものの、そんなに簡単にはスローライフ・モードにギアチェンジできるはずもないし、だいいち会社勤め身分だとスローライフがスローワークにつながっちゃうとクビが危ないというものです。

そこで思ったのが、せめて三度の食事だけはゆっくり時間をとって味わい楽しんでみようということ。たとえば、いつもなら近場の中華屋やカレーショップでそさくさと済ましてしまう昼食を、ちょっと足を伸ばして「たけのこご飯」とか「もどりカツオの刺身定食」なんていう季節感あふれるメニューを出してくれる定食屋さんなんかにできる限り入ってみるようと思ったのです。

そうやって、季節にこだわった料理をゆっくり味わうというだけで、「今日は旬のものを食べたぞ!」という思いが生まれる。たったそれだけで、その日一日が何だか幸せな気分になってくるんですねぇ~、これが。

そんなこんなで、案外単純なことで幸せな気分になっている自分を発見しまして、わたしも遅ればせながらスローフードという入り口からスロー人生に参入してみることにしました。

# by vasar | 2006-05-02 08:43


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