絶品ラーメンとか究極の玉子丼といった「B級グルメ」と、高級フレンチや料亭懐石などの「A級グルメ」の境界線はいったいどの辺にあるんだろう?という話題をサカナに、いつものメンバーが居酒屋で盛り上がりました。
『A級グルメは飽きちゃうよ。毎日は食べられん。先週もフレンチのディナーにつき合わされ、子牛のなんちゃらってやつを食ったけど、そんなにうまいとも思わないし、その夜から胃もたれだもんな』 というのは、50を間近かにいまだ独身のGさん。
そこに突っ込みを入れるのが、単身赴任中の夫の留守を守る40過ぎの主婦Oさん。『結局貧乏人やガキにはA級グルメは分からないのよ。おいしいものを楽しむためには、それなりの投資と経験が必要なんだから。甘いものがいちばんうまいと考えている子供は、味覚のベクトルが一方向しかないけど、味覚がだんだん発達してくると、塩辛いものや酸っぱいものもおいしいと感じるようになるわけだから、Sさんは味覚がまだ開発途上ってことなんですよ』
それを聞いてムッとしたSさんがやり返す。『でも毎日うまいものを食い続けて、味覚が進化し過ぎちゃうと、庶民的なカレーやチャーハンをうまいと思えなくなっちゃうんじゃないか?俺の知り合いの娘なんか、小さい頃から親がA級グルメで育てたもんだから、学校の給食を食べられなくなっちゃったんだって。そんなの不幸だよ。その点、B級グルメの俺は何でも食べられて幸せだよ』
なかば開き直ったSさんに援護の手をさしのべるのが、何の取り柄もないごく普通の独身サラリーマンR君。『A級グルメって食べるとき、なんか身構えちゃうんだよね。ちょうど名作絵画や美術品を見るときみたいに。ちょっと重いというか、毎日それじゃ疲れちゃうよ。漫画やグラビアなら絶対飽きないけど』 『だからあんたはタコだっての!毎日コンビニで漫画やグラビア雑誌の立ち読みばっかりしているから成長もないし、彼女もできないのよ!』 とOオバサンの反撃。
その後グルメの話題はすっかり忘れ去られ、漫画本からお笑いタレントの話に移っていってしまい、その間、テーブルの上にはB級グルメのつくねや砂肝、手羽先がずらっと並び、大量のビールとともに参加者の腹の中におさまっていきました。こういう話はA級グルメのテーブルにはのぼらないんでしょうね。